出発前の基礎知識や、準備なんかは分ったけど、実際の乗車はどんな感じなの?という方の為へ、ここで仮想的に乗車を体験していただきましょう。

まず、駅へ到着したなら乗車券の発券という作業があるのですが、これは「駅の様子と手続」で説明してあるので、省いちゃいます。という訳で、ここでは発券したあとからお話していきたいと思います。

普通は待合室で待つものなのですが、さほど大きくない駅では、ホームまで勝手に行く事ができます。おとなしく待合室で待つのもいいけれど、駅に入ってくる巨大な列車をホームで待ち構える、というのも一興だと思います。
加えて言うなら、そういう駅には場内アナウンスと言うものがないので、列車がきたかどうか分からなくて不安になる事も。そんな時は、ホームに出ていれば安心ですよね。もっとも、列車がくれば自然と待合室にいた人々が移動し始めるので、気づかないという事はないのですが。

メトロポリタンラウンジ

ファーストクラス及び寝台車利用者は、ニューヨーク・フィラデルフィア・ワシントンDC・ニューオリンズ・シカゴ・マイアミ・ポートランドにある、専用のラウンジで待つことが出来ます。これは、飛行機のビジネス・ファーストクラス利用者用のラウンジと同じようなもので、ドリンクなどのサービスがあり、ソファでゆったりとくつろげるというもの。
利用の際には、入り口の受付で乗車券を確認することになります。

アムトラックの駅には改札口というものがないので、すぐに乗車となります。(発車後、車掌が切符の確認に周ってくる、というシステム。)
長距離列車の場合、行き先別に車輌が別れているので、まずはチケットに書かれている列車の番号を見て、その車輌のところまで行きます。車両番号が良く分からなければ、各車両の入口に必ず一人ずつ係員(カーアテンダント)が立っているので、その人に聞けば大丈夫。というより、逆に「どこまで?」と聞かれる事が多いと思います。

コーチの場合、特に席は決まっていないので、空いている席に座る事になります。空席かそうでないかは、上部の荷棚の部分に行き先が書かれた紙(下の写真)があるかどうかで、判断してください。なければ、もちろん誰もいないという事。列車によっては、指定される場合もあるので、入口に立っているカーアテンダントの話は、聞き逃さないように!
寝台車の場合は、入口で部屋番号とその場所を告げられるので、その通りに進んでいけばいいわけです。

seatsign.jpg写真左側に写っている黄色い短冊形の紙が、この席の乗客の行き先。(これはニューオリンズを表しています。私たちが座ってた席ですね)隣のアムトラックマーク入りの紙は、2人組専用のシートという意味。この、二人用か一人用かという表示は、全ての列車にあるわけではありません。
(写真提供:K嬢)

食堂車では、レストラン並みの食事が楽しめます。(でも、フォーマルじゃあありません)種類はどの列車も同じで、朝食はアメリカンかコンチネンタル等、昼食はバーガー・パスタ類、そして夕食はビーフ・チキン・フィッシュ・パスタ等から選ぶようになります。
種類は同じだと言いましたが、同じビーフやチキンでも、列車によって特色を出しています。例えばシティオブニューオリンズの場合、ニューオリンズ名物のキャットフィッシュが出てきたり、各ルートでのローカルな食事が楽しめるようになっているんですね。
(メニューは、オフィシャルサイトで確認する事が可能)

また、夕食はほぼ予約制のようです。だいたい1時間ごとに区切られていて、その区切りごとに場内アナウンスが入るので、自分が指定した時間帯になったら出向くというシステム。寝台客の場合は、必ずカーアテンダントさんが部屋まで予約を取りに来てくれて、予約券(?)のようなものを渡されます。
朝・昼食は予約制ではないようですが、混雑していると後で呼出し、という形になります。この場合、コーチ客はアナウンス呼出のようですが、寝台客は部屋まで呼びに来てくれる……はずです。(多分。私の場合はそうでした。)ちなみに、2人以下での利用の場合は、必ず相席となります。これがアムトラックの常識。ここでコミュニケーションが生まれるというわけです。

遅れたときの食事サービス

メンフィスからニューオリンズへ向ったとき、3時間半ほど遅れてしまい、お昼の到着が夕方になってしまったんですけど、その時、コーチ客にも無料で夕食が振舞われました。まあ中身はお子様ランチに近い内容で、お世辞にもおいしいとは言えないものでしたけど……。

シングルレベル編成(主に東部を走る列車)だとあまり動き回る、というイメージはないのですが、スーパーライナー編成(主に西部を走る列車)だと2階建てなので、行動範囲も広がってきます。自分の席でじっとしていないで、ぜひ車内を歩き回ってみましょう!
その際、貴重品は携帯していく方が望ましいです。アムトラックは比較的安全な乗り物ですが、それでもたまに盗難などの被害があるようです。用心の為、席を外す時は貴重品を置いていかない事です。そして、アムトラックの揺れは結構激しいので、転ばないように要注意!

ラウンジでリラックス&映画鑑賞

アムトラックでの最大の娯楽は、窓から眺める景色だと思います。それゆえ、ラウンジは最高の娯楽施設。特にスーパーライナーの場合、天井まで伸びた大きな窓なので、まさに景色を見るための車両といえるでしょう。
そしてこのラウンジでは、映画の上映なども行っています。(スクリーンなんて立派なもんじゃなくって、小さなテレビです)当然アメリカでは公開終了した作品ですが、運が良ければ日本公開前の作品に出会えるかも!?

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ラウンジでの様子(写真提供:古谷さん)と、ラウンジに置かれたテレビによる映画上映の模様。

待遠しい停車駅

主要都市での停車は、長距離ルートでの楽しみの一つです。短くて30分、長くて2時間くらいあるので、駅構内はもちろん、場合によっては外へ出る事も可能なのです。いくら車内を歩き回れるといっても、箱詰め状態には変わらないので、外へ出て羽を伸ばせるのは、とっても嬉しいこと。
ただし、発車時刻を確認しておくのを、忘れないでください。とかく遅れるアムトラックは、予定より停車時間を短くして発車してしまう場合があるからです。

時間の潰し方!?

アムトラックに乗っている時間は、いうまでもなく非常に長いです。東側の短距離区間を除き、たいてい10時間から20時間、大陸横断するとなると60時間にも及びます。(大陸横断は唯一サンセットリミテッド号の、マイアミ-ロサンゼルス間のみ。)
そこで、何か目的を一つ作っていく事を、おすすめします。例えば、絵の好きな人なら車窓の風景や車内をスケッチしまくるとか、本の好きな人なら分厚い読み応えある本にチャレンジしてみるとか、普段「やりたい」とは思っているものの、時間が無くてなかなかできない、というものがいいかもしれません。

ちなみに私は、スケッチと日記に挑戦したんですが、日記は完成したものの、スケッチは全く手付かずで終わってしまいました。実際に体験してみると、時間をつぶす事は容易な事ではないようです。次第に飽きてきて、列車の揺れが程よい眠気をもたらして、ついついうとうとと……。(実を言うと、私はほとんどの時間を、寝て過ごしていました。)

まず、乗ってすぐ横手に見えるのが荷物置き場。成田エクスプレスを知る人は、それをイメージしてもらえれば良いでしょう。そして、反対の通路沿いにいくつものトイレが並び、一番奥には女性用のドレッサールームがあります。
このトイレは、飛行機のそれと全く同じで、小さな洗面用スペースが付いているというもの。これが寝台車輌となると、シャワールームが加わる事となります。また、1階には少しだけ客席もあるのですが、こちらは主に身体障害者用。

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スタンダード寝台の乗客が利用できる、シャワー室。写真右が入口で左が内部の様子。このシャワーを使うには、ちょっとコツが要ります。貴重な水を使うので、かなりな節水機能が施されているんですよね。

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コーチ席と、スタンダード寝台の廊下の様子。

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スタンダード寝台は、このように非常に狭い空間。でも、快適に過ごせると思います。この写真では、下のシートをベッドに変えて、上のベッドも設置しています。
また、寝台車両には、ドリンクサーバーも設置されています。これ、寝台利用客が常に飲む事が出来るようになっているものと、朝しか飲めないものと、ルートによって違ってました。

共用スペースとして、天井まで窓になった、景色を楽しむことの出来るラウンジや、軽食サービス、食堂車、プレイスペース(カードゲームなどが出来る場所)があるので、それらを上手に利用するのが、長旅を楽しむ秘訣かもしれません。

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ラウンジ(展望車)と1Fのプレイスペース。(写真提供:K嬢)

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